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大腿骨骨折リハビリ

ボールを使用して内転筋のトレーニング
ボールを使用して内転筋のトレーニング

これまでの経緯


大腿骨骨折の手術では、折れた部分を大きなネジやピンで接合する方法と、人口骨に置き換える方法があります。今回の患者さんは、転子部骨折で自分の骨は残したまま、大きなネジやピンで接合する手術を受けました。右足の大腿部の外側を数カ所切開して手術しているため、その部分に常に鈍痛を伴う違和感を感じています。

 

現在は、退院後3週目になります。退院直後は、歩行器で歩きはじめていましたが、まだ右足は頼りなく腕の力に頼っているところがありました。左足に比べて右足のふくらはぎは、極端に細く筋肉が落ちていました。急に筋肉が落ちたため、皮膚にたるみができており、ご本人もそれを見て、気にされていました。

 

最初は、座位での軽い運動と歩行器につかまっての立位での軽い運動から開始し、現在は後述のメニューをこなすようになっています。


リハビリメニュー


マッサージ(30分)+リハビリ(20分)の治療です。

 

リハビリ前に筋肉のこわばりをほぐし、より効果的な運動ができるよう手指の神経に集中して施術を行います。以前、左足にも坐骨神経痛の症状があったため、左足⇒右足の順にほぐしていきます。あまりの心地よさに、本日はぐっすりお休みになってしまいました。

 

マッサージ後のリハビリは以下の通りです。

 

●横になっての運動

  1. ボールを使用して内転筋のトレーニング(閉じる方向)
  2. 手で負荷をかけての外側広筋のトレーニング(開く方向)

●座位での運動

  1. 爪先上げ・踵上げ
  2. 膝のばし
  3. 足指開閉

●立位での運動(以下を2セット)

  1. 開眼片足立ち(片足10秒)
  2. つま先立ち(10秒)
  3. 後方への足の蹴り上げ(10秒)

ご本人の努力もあって、非常に効果が出ています。立ち上がりがスムーズになり、歩行器を使っての歩行も安定してきました。

通所リハでは、杖のみでの歩行練習ができるまでに回復しています。 

リハビリの時の注意事項


運動に集中すると、ついつい呼吸を止めてしまいがちです。ご自分で運動する時用のA4のポスターを作ってお渡ししました。

運動するとき、呼吸を止めない。声に出してカウントしましょう!鍛える筋肉を意識しましょう
運動するとき、呼吸を止めない。声に出してカウントしましょう!鍛える筋肉を意識しましょう